この前の現代文に、「細胞は、組織のために、組織は、器官のために、器官は、系統のために、系統は、人体のために生きる。」とあった。そして、人体が最終的な全体ではなくて、「人体は、人格のため、人格は、より大きな人間全体の中で、意味を与えられ、人間を超えたものによって意味を与えられている。」とありました。京都大学の教授が書いた文章でした。
この話を読んでみて、ある言葉を思い出しました。「送りバントの精神は、世界平和に通じる。」
箕島高校野球部の尾藤監督に塾においでいただいて、青年会議所教育部会での講演をしていただいた言葉あります。講演の最後のほうで、「セカンドに進んだランナーは、自らアウトになって送ってくれたチームメイトの気持ちをしっかり受け止めて、必ずホームに帰ってくると心に誓うんです。」と語っていました。そして、「この犠牲バントの精神を、少しずつ発展させていくと、チームのため、社会のため、国のため、そして世界平和に通じます。」と今から15年ほど前に語ってくれたのを思い出しました。小さなものは、大きなものによって生かされ、大きなものは、小さなものの気持ちをしっかりくみ取る。そのことの大切さを、よく表してくれた文章だと思います。