昨日の新聞に、「小野盛さん、死去」という小さな記事が掲載されていました。95歳です。インドネシア在住の900人余りいた、元残留日本兵の最後の1人だそうです。
僕たちの世代は、「自虐史観」で固められた歴史を、素直に信じて勉強してきた世代です。日本は、こんなに、近隣諸国に対して悪いことをしてきたということを、徹底的にたたき込まれてきました。ですから、「愛国心」は悪いもの。日本を愛するのは、「右翼だけ」というような認識が、定着した世代です。悪いことをしてきた事実は、確かに認めなければなりません。しかしそれは、日本だけが悪いのではなくて、戦勝国側にも、悪かったことは沢山あるのです。
帝国主義の時代に入って、欧米の列強が、アジア、アフリカに植民地をどんどんと作っていきます。インドネシアも、オランダに300年以上虐げられていました。西欧人の植民地の人たちの対する取り扱いは、相当ひどかったようです。何しろ、「人」として見ていなかったのですから。第二次大戦の時に、日本人が、進駐して行った時に、「日本兵は、自分たちと一緒に、ご飯を食べてくれる。一緒に仕事をしてくれる。それが何より嬉しい。」と現地の人が喜んだそうです。
終戦後、インドネシアにいた旧日本兵が、そのまま現地に残り、49年まで続いた対オランダ独立戦争に参加するのです。そして、勝利を勝ち取り、そのまま、インドネシアに残った人たちが、沢山いるのです。インドネシアの人達にとっては、同じアジア人である日本人の参戦をどれほど有難く思ったかは言うまでもないことです。
こういう歴史的事実を、きちんと小学校、中学校の授業で、教えていかねばなりません。自分の国の、いいことだけしか教えない国も沢山あります。世界では、そんな国の方が圧倒的に多いのです。正しいことも、悪いことも、両方をきちんと教えていくことこそが、教育だと思います。