先日、夕食のおかずに、魚の煮つけが出てきました。加太の街で育った僕にとっては、小さい頃は、魚が中心の生活でした。その当時は、別に何も思わなかったのですが、就職して、東京に行ったとき、先輩が、ちょっといいお店に連れて行ってくれた時に、魚の煮つけが出てきたのです。高級そうなお店だったので、どんな味がするのかなと思って楽しみに食べてみると、小さい頃いつも食べていたお魚の方が、遥かにおいしかったんです。そりゃあそうですよね、近所の漁師さんがつってきたのを、すぐにそのまま食べたりしていたのですから、鮮度が違います。そうです。ある人が行ってました。「明石の鯛」って有名ですが、あの鯛は、紀淡海峡を通って行ったのが明石の鯛で、加太の鯛が、一番うまいんだと。
当たり前のことは、その状態にいると何も思いません。当たり前だから、当たり前。でもその状態でなくなった時に、その尊さというか、良さに気がつくようになっているのですね。人間は、どんな状態にでも、すぐに慣れてしまう動物です。だから、たまには、視点を変えたり、行動のパターンを変えたりしないと淀んでしまいます。
夕食の煮つけの魚は、カワハギでした。地元では、「はげ」といいます。「はげ」には、丸はげと、長はげ ( うまずらはげ ) があって、小さいまるはげの方が、味がいいとされています。ただ、僕は夕食に出た、長はげが好きです。少しあっさりしていますが、身が取りやすくて、きれいに食べられます。昼間の外食とかであまり食べられないものが、週末の夕食に出てくるといいですね。ごちそうさまでした。