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Channel: KGセミナー塾長の日記
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藤原あらし MVP獲得

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藤原あらし選手が、ゴング格闘技やFight&Lifeの両格闘技雑誌の編集長と格闘情報サイトeファーストが選ぶ、5月のMVPに選ばれました。その理由は、

 ① ルンピニースタジアムの現役のランカーで、しかも20歳という伸び盛りのタイ人選手に勝利を収めたこと。

 ② 35歳という、格闘家にとっては、非常に厳しい年齢で、夢を実現したこと。

 ③ 「神の階級」といわれる、圧倒的にタイ人が強さを誇っている、ムエタイの軽量級での勝利であること

だそうです。

 

 ヤフーには、彼の試合後の話が掲載されていました。言葉を拾ってみると

 

 「年齢のことは考えていません。絶対あきらめない。その心が大切です。」

 「僕は上しか見ていません。年齢を重ねて、さらに成長を続けています。」

 「最初の子供が生まれた時に、闘争心は、なくなりました。ただ、子供や家族のために、絶対に負けられないという気持ちが、より強くなりました。」

 「年齢や、生活を理由にしてやめたくはないです。いくつになっても、好きな道に挑戦できる。こんな有難いことはありません。」

 

 予備校生にも、聞かせてやりたいような言葉が、並んでいました。「生活」そうです。格闘家では飯は食っていけません。結婚し、子供ができれば、働かなければなりません。働いて、お金を稼いで、僅かに残った時間の中で、練習をして、もがき苦しむ。

 

 一緒に、試合前日の計量行ったことがあります。一番の年長者である、藤原君が、優しく若い選手に声をかけてやっています。若い人たちも、本当に礼儀正しかったです。そのことを彼に話すと、

 「真剣に格闘に打ち込んでいる選手は、真面目な子ばかりです。真面目でないと、仕事をしながら、格闘なんてできません。チャラチャラしている奴は、すぐに負けてしまいます。」

 と語っていました。その通りですね。試合前は意気込んでいますが、試合で実力の差を見せつけられた選手は、必ず相手に頭を下げて、相手に敬意を表して、自らの敗北を認めます。真剣に打ち込んできたからこそ、敗北を認めるのは辛い。しかしその現実を受け止めることで、選手は人間としても成長していくのです。

 

 今、多くの大学で、将棋や、囲碁を授業に取り入れています。頭を使う。それもありますが、一番の効果は、「敗北」を認めることです。今の若者は、異性の相手に、告白をして、×をくらってしまうことを極度に避けようとします。×を言い渡されるなら、今の友達同士にままでいいと考える若者も多いのです。なかなか、青春時代に敗北を認める機会が少なくなったような気がします。敗北を認める。認めて、自己嫌悪に陥る。その繰り返しが、青春時代には不可欠な要素なのです。これは人間にとって、大切な経験です。

 

 「負けても、くよくよ考えないんです。反省はします。しかし、負けを引きずっている時間はありません。タイ人以外、誰も巻いたことがない、ルンピニースタジアムの軽量級のチャンピオンベルト。それを手に入れるためには、くよくよしていられないんです。」と語っていました。

 

 日本人が誰もできなかったことに挑戦している35歳。海南の中学から、開智高校に進んでサッカーをやり、格闘技の経験はありません。大学入試では挫折も味わい、浪人生活を経験して、やっとつかんだ明治大学の合格通知。決して、スポーツ推薦などで進学せずに、一生懸命に勉強して大学合格したのも、彼には大きな支えとなっているはずです。浪人生活が、支えとなっているからこそ、「年齢なんて関係ない!」と言い切れるのかもしれません。

 

 7月に次の試合があり、秋には、ルンピニースタジアムの選手との試合も予定されています。その試合は、大きな試合となるかもしれません。頑張れ、藤原あらし。妻と2人の子供と一緒に、夢を実現させて下さい。応援しています。


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