昨日2年生に読ませた英語の長文が面白かった。明星大学の長文で、「雨を降らせる男」という話だった。その長文を先に読んでいた私は、実話なんだろうかと思って、ネットで調べてみた。実話だった。
ミシンの修理販売をしていた、チャールズ・ハットフィールドは、幼いころ、大砲を撃った後には、雨が降るという言い伝えを聞いて、そのことについて調べて、雨を降らせる技を開発したそうだ。アメリカ、カナダ、メキシコなど水不足で、困っている町に赴いて、雨を降らせたらお金をもらう。ダメだったらお金は取らないという契約で仕事として、雨を降らせる。木で作った6メートルぐらの塔の上に、彼が調合した化学薬品を置いて、それを蒸発させる。するとしばらくして雨が降るというものだった。
26年間で、500回以上行った中で、失敗はわずか2度だけ。驚異の成功率を誇った彼は、40歳の時に、水不足で困っていたサンジェゴの町に赴いて、ダムの池をいっぱいにするという契約を結ぶ。そのダムは建設されて以来、水が半分にも満ちた事はない。彼が技を行ってから、4日後から雨が降り出した。5日連続して降った雨は、6日目からさらに激しさを増して、15日間雨が降り続いた。ダムの水は、上から12cmの所までたまっていた。契約の10,000ドルを手にできると思っていた彼に、町は契約を破棄したのだ。洪水が起こり、50人の死者が出て、200を超える橋が流され、線路も何マイルも破壊されてしまった。
町は、彼に対して、洪水を起こしたということで裁判に訴えた。彼も契約不履行で訴える。その裁判で陪審員たちは、結局この雨は、単なる自然現象であって、彼の責任ではないという判断を下す。プライドを傷つけられた彼は、40歳の時から、一切その仕事をしなくなってしまった。自分の技については、一切誰にも語るんことはなかったという。このことからも、彼が単なる詐欺師で、お金が欲しかっただけの男ではないというのが、よくわかる。80歳になった1956年、彼のことが、「雨を降らす男」として映画になった。その3年後、誰にもその技を話すことなく、83歳で人生の幕を閉じたチャールズ・ハットフィールド。そんな話を昨日読んで、生徒と一緒に、少し楽しいひと時を過ごした。