予備校の受験情報雑誌の裏面に広告がありました。中京大学の広告です。この広告には、現在の大学が何をアピールしているのか、それがよく表れています。
まず第1に、2014年度入試から、出願を完全にインターネットに移行するということ。これによって紙の使用を削減するというエコロジーに対する大学の取り組みをアピールしています。近畿大学がいち早くこれに取り組みました。これから他の大学も追随するところが多くなってくるでしょう。
次は、安さの強調です。「ネット割出願 1受験15000円から出願可能!25000円で3受験Pack料金あり!さらに5000円プラスで追加受験可能」と安さをアピールしています。確かに通常1受験に付き35000円の出願料からすると、かなり安くなります。とにかく今は、安さをアピールしないと生き残っていけないような風潮さえあります。また、昨年は、合格者の92%が2学部以上受験をしています!という言葉もあります。2着以上スーツを買うと、もう1本、ズボンがついてくるそんなサービスと同じですね。大学受験にまでダンピングの嵐が吹き荒れています。今までは護送船団方式で、横並びで同じやり方出進んできましたが、そんなことをしていては、生き残っていけなくなってきました。
最後が一番アピールしたいことなのかもしれません。受験者の親の世代、そうですね、45歳以上の人たちにとっては、「中京大学」は、やはり、「体育の大学」というイメージが強いと思います。私達和歌山で暮らしてきた者にとっては、運動選手のトップクラスの選手は、日体大へ、その次は、中京大学か、大阪体育大学へという序列があったように思います。そういうイメージを覆すために、「出願者の67%が国公立大学と中京大学を併願!」とアピールしてきます。広告の一番下の段に、枠は狭いですが、これを一番訴えたいわけです。この数字は、昨年度の入試の一部の方式ですと小さな文字があります。そうです。一番多いケースのみを抽出したデータなのです。しかしながら、「中京の受験者の約70%が、国公立を受験するのか!えらい時代も変わったものやな!!」と少しびっくりしてしまう人もあるでしょう。実際に受験料を支払う親にとってのインパクトは、一番強烈ですね。
このように、エコロジーに関心があること。安さの強調。国公立大の併願校と印象付けることでステータスの誇示。この3つの要素が、トップレベルではない私立大学にとっては、何よりのアピール材料になってきます。