今日は、桐蔭高校野球部激励会が行われます。OB会が主催で、終戦直後から行われている伝統のある「儀式」です。夏の大会前に、この暑い中で、選手とOBとが一緒になって、すき焼きをつつくのです。戦後、野球用具もなく、食料も十分でなかった頃に、OBが後輩のために、何とかお肉を食べさせてやりたいということで、始まったものです。
我々のころは、和歌浦の旅館、東邦荘でやっていただいていました。東邦荘の社長が、昭和36年、桐蔭が甲子園で決勝まで進んだ時の応援団長をしてくれていた縁でした。今は、紀三井寺の「はやし」で行っています。
大阪からはるばる必ずやってきてくれる和中の先輩もいます。昔話を聞かせてくださいます。西本幸雄先輩は厳しかったとか、少人数だったけれども、努力を重ねて、甲子園をつかんだ話。甲子園で準優勝投手になった、西村投手は、ピッチング練習のときに、捕手のはるかに後ろを的にして投げていた話など、思い出話は尽きません。学生のころは、なんとも思わなかった話ですが、OBになるとなんだか心にしみてくるような気がします。
また、最近は、選手たちが決意の言葉も述べてくれます。その中で必ず出てくるのが、親に対する感謝の気持ちです。我々が選手のころは、なんか気恥かしくて、親に対して感謝の気持ちなんか言えませんでした。結婚式でもあるまいし・・・と言う気持ちがどこかにあったのかもしれません。しかし、今の選手は、素直にその言葉を言えますね。時代が変わったなあと実感します。
ちょうど、1週間後が、初戦の南部龍神戦となります。土曜日なので、OBも紀三井寺に駆けつけることでしょう。OB,保護者、学生一体となった応援で、ぜひとも桐蔭らしい、きびきびとした、最後まであきらめずに、食らいつく野球をしてもらいたいですね。激励会、楽しみにしています。