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吉本、中卒社員入社

 吉本興業に21人の新入社員が入社しました。そのうち、10人は、中卒・高卒で採用されています。中・高卒の枠には、500人の応募があり、面接を繰り返して、結局最後の10名が入社までたどり着きました。その中の1人は、中卒の女子です。公立高校を受験して合格を果たしたのですが、その後に発表があった吉本に入社することに決めたそうです。昨日は、新入社員代表の言葉を述べました。

 

 この10年間で、高卒の仕事が、10分の1になったというデータもあります。そんな中での中卒で、1部上場会社の社員になる。今の時代では、あり得ないことですが、吉本だからこそできたとも思えます。またこういうことが、記事になったことで、十分に、「元は取っている」でしょう。

 

 僕が入社した会社も、その当時は、役員が圧倒的に中卒でした。大学卒は、系列の銀行から来ている2人と、初めて、大卒社員の中から役員になったK部長。福岡大学の出身でした。テレビドラマ「どてらい奴」の、「山下猛造」のモデルの山本猛夫が社長の会社でした。社長の子飼いの社員が、役員として残っていて、僕が配属になった事務所の所長も中卒でした。昭和30年代の会社のような気がしましたが、そこで、徹底的に鍛えられたのが、今のこの仕事の基礎になっていると思います。

 

 何を叩き込まれたのか?一言で言うと、「文句は言うな!」と言うことですかね。文句は言うな!結果を出せ!結果が出ないのは、努力が足らんからじゃ!実に明確です。厳しい所長でで、毎日怒られてばかりでしたが、一度だけ、すごくほめてくれたことを今でも覚えています。

 

 かつては、大卒の社員を採用することが、その会社のステイタスな時代がありました。今はもうそんなことは言ってられる状況ではありません。戦力になる社員であれば、中卒であろうが、大学院卒であろうが、まったく関係のない時代になりつつあります。その意味では、圧倒的に厳しい時代になったと言えます。昔はある程度時間をかけて社員を育てていっていたのが、日本企業の特徴ででしたが、今では確実に、猶予期間が少なくなってしまっています。

 

 会社員時代、仲のよかった同期社員がいます。明治大学でアメリカンフットボールをしていた人で、熱い心を持って仕事に打ち込む人でした。仕事中、腹が立って、昔の黒電話に受話器をぶつけて、電話機を何度も割ってしまったという社員でした。「昭和30年代」ですね。そんなことが許された時代でした。彼は、今は独立して、立派な会社の社長として、東京で頑張っています。

 

 吉本の中卒社員入社の記事を読んで、昔のことを思い出してしまいました。


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