NHKの、「明日はどっちだ」という番組を見ました。仕事でがけっぷちに立たされている若者を応援するドキュメント番組です。昨日は、「林業女子」。東京の檜原村にある小さな林業の会社で見習社員として働いている30歳の女子です。
仕事はかなりきつそうです。100%の肉体労働。体つきも華奢な彼女は、ひいき目に見ても、仕事の足手まといになっているような気がします。しかし、ほんわかとした彼女の性格のために何とか乗り切っているようです。実は彼女、東京大学の農学部を卒業しています。一般の会社に就職しましたが、どうしても森の中で働きたい。身体を使って働きたいと思って転職したそうです。
東京大学という名前を使って、すんなりと就職し、そのまま仕事を続けた方が、世間的に考えればはるかに「得」です。しかし、人生には、「損得」では割り切れないものがあります。好きなことをやって、一生懸命に体を使って働いて、クタクタになって家に帰って、お風呂に入ってご飯を食べて寝る。この当たり前だったことが、人間にとっては、「幸せ」なんだと気がついてしまったんでしょうね。彼女も。辛く苦しい仕事ですが、すごくいい表情で働いていました。たぶん、以前の仕事では、そんな顔をして働いていなかったんだと思います。臨時の社員から、正社員に採用されたようです。よかったと思わず微笑んでしまいました。
毎日沢山のメールが、パソコンに届きます。大半が、勧誘のメールです。最近一番多いのが、「宝くじ」を使ったメールですね。昨日も、沢山のメールが届いていました。仲に、変なメールがありました。「私の塾で働きたい。」とあったのです。新手の詐欺だなと思って、削除しようと思いましたが、少し先まで読みました。一流大学の4年生です。会社には、内定ももらっていましたが、それを断って、予備校業界で講師として働きたいとのことです。修業をさせて下さい。お給料は要りません。とも書いてありました。
とても人を雇うような予備校ではありませんし、余裕もありません。ただ、30年以上この業界で働いてきた者として、伝えたいことは、沢山あります。彼の、「本気度」を見てみたいのです。明日の夜、早速、話をしてみることになりました。「明日はどっちだ」と同じような気がします。こんな先細りの斜陽な産業に、身を置かなくても、輝かしい未来はいっぱいあるのにと思いますが、「どうしても」という気持ちが勝ってしまったんでしょうか。とにかく楽しみです。明日が。