センター入試の問題を解いていて、「大人になるのは、いつだろうか?」ということについて3人の考えが示されていました。選挙権を持ったととき、大切な問題に自分の意見を持てるようになったとき、自分以外の誰かのために、生活を支えられるようになったとき。こんなことを書いてある文章でした。
それでは、子供から少年になるのはいつでしょうか。僕の答えは、「テストの点数を親に見せなくなったとき。」 面談をしていると、「テストを見せてくれない。いい時だけしか言わない。」とこぼすお母さんがいます。そんなお母さんに、「お母さんを悲しませたらいかんから、気を使ってるんでしょうね。大人になりました!」と言うんです。高校生になった子供に、いまだにテストの点数をそろえて見せるのを要求する親もいるんです。そんなことをしていたら、子供はいつになっても、お母さんの呪縛から離れられなくなってしまいます。自分の夫がマザコンだったらぞっとするのに、そんな母は、一生懸命に、「お母さんの言うことだけを聞いていたらいいのよ!」とマザコンの子供を養成しているのですね。ですから、「うるさいわ!黙っとけ!」と子供が言うようになったら、子育ては間違ってなかったということだと思います。
昨日は、予備校部の実力テスト。1月に入ると、テストはしませんから、予備校生活最後の実力テストです。予備校生たちも、いつもより、少し緊張しているような感じでした。1人だけ来ていない生徒がいます。前回トップだった生徒です。試験が始まって、20分ほどすると、「すみません、寝坊してしまいました。今から行きます。」と電話が入りました。彼が遅刻をしたのは、昨日だけ。その一日が、最後の試験にやってきたんです。世の中にはこんなことがあります。テストの後も落ち込んでいました。落ち込むこと、これで人間は大きくなるのです。
最後のテストで、全く実力を発揮できなかった生徒がいました。いつもの得点よりかなり悪かったです。落ち込んでいました。今朝、塾につくと、誰もいない教室で、一人、彼だけが勉強していました。嬉しかったです。いい時もある。悪い時もある。大切なのは、悪かったときに、次にどう行動するか。次の一歩を前を向いて踏み出すこと。それが生きていく上で、大切なのです。教師は、誰ができるできないよりも、できなかった生徒のその後を見つめるのが仕事です。頑張れ。きっとうまくいく。自分を信じること。あと少し!