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Channel: KGセミナー塾長の日記
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「確かなものは覚えこんだものにはない。強いられたものにある。」

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 昨日、夜の授業を始める前に、OBが来てくれました。1990年の浪人生です。今年42歳になります。関西国際空港で、航空関連の仕事をしています。久しぶりでした。でもちっとも変っていませんでした。英語が大好きで、英語を生かした仕事に就きたいと言っていたのを思い出しました。「浪人時代の1年間、あんなに頑張ったことはないと、今も思うんです。」と語ってくれました。

 

 NHKのニュースの特集でやっていたのですが、いま企業では、新入社員の離職率の高さに頭を悩ませているようです。そこで、「耐力」のある学生をどうやって採ってくるか、その見極めがポイントになっているそうです。耐力とは、物事に耐える力です。少しの困難にすぐに挫折してしまう若者は確かに多いと感じます。今の学生は真面目なのですが、物事を乗り越えていく力が備わっていない人も多いと私も実感します。

 

 その原因としていろんな要素がありますが、一つは、今の社会は、能率、効率をあまりにも追求するので、非能率的、あるいは自分にとって利益がなさそうだと思えることには、心が向かないし、その気持ちがそのまま態度に出てしまうのだと思います。やはり、もう少し社会にゆとりがあれば、あとになって、あれはよかったなとわかることの大切さを教え込むことができるのですが、ついつい目先のことにばかり目が向いてしまうんですね。

 

 「確かなものは、覚えこんだものにはない。強いられたものにある。」これは、日本大学アメリカンフットボール部の篠竹監督がいつも学生たちに語りかけた言葉でした。この言葉は、「篠竹のロボット」と学生たちが揶揄されることもありましたが、その後の社会に出てからの日大アメリカンフットボールの選手たちをいつも勇気づけたことだと思います。この言葉は、去年のセンター入試で受験歳たちを大いに悩ませた、小林秀雄の言葉です。

 

 「強いられる。」その初めの段階の、嫌な気持ちを乗り越えて、心が次第に無になって、それを乗り越えた時に、一回り自分が大きくなったような気持ちになる、あの体験は、やはり何とも言えないものだと思います。それを許せるような、社会にゆとりがあればなあとも思います。


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