桐蔭野球部のOBから、お昼にラインが入りました。
「昨日で試験が終わりました。手応えよりも不安が大きいですが、青学と立教は、キープできています。慶應の結果が分かり次第、塾に報告に行かせていただきたいのですが、まだ合格に向けて頑張っている生徒がいるのであれば迷惑ではないでしょうか?」
自分も受験で苦しい思いをした人でなければ、なかなかここまで気は使えません。
「是非待っています。楽しみにしています。」と送りました。慶應大学の最後の合格発表は、2月26日です。
ところが夕方、僕が郵便局に行って戻ってくると、廊下で、A君が待ってくれていました。大きな荷物を持っていました。1週間、横浜に泊まって受験をしてきた帰りだったんです。ラインも新幹線からでした。
「電車の中で、ネットで合格通知を確認しました。今日は法学部で、自信がなかったので、見ようと思っていたんです。自信がある学部は、通知が来るまでずっと待つつもりでした。法学部に受かっていたんです!」
よかったです。法学部に一番行きたかったそうです。我々のころは、野球部の生徒は、法学部が圧倒的に多かったのですが、今は、慶應法学部の難易度が凄く高くなりました。塾の廊下に張り出している、ベネッセのランキング表では、慶應の経済、早稲田の政経をおさえて、偏差値83でトップです。司法試験の合格者数も、法科大学院の中では、最終合格者の数は、201人で、東京大学、中央大学、早稲田大学をおさえて圧倒的にトップの成績です。
受験した中では、法学部が、一番自信がなかったそうです。しかし合格しました。大阪の予備校でしっかり鍛えてもらいました。実力があれば、少しできなくても十分に合格できます。これが受験です。合格できるかどうか、不安な気持ちに震えながら勉強をすることからこれで解放されました。これからは思い切って野球に打ち込めます。
僕の1年先輩のMさん、2年後輩のS君、コーチに行っていた時の5つ下のK君。そのあとは、慶應野球部に桐蔭から進学した部員は誰もいません。30年の空白が、埋まりました。今年の正月に、土佐高校から慶應に進学したⅠ君が来てくれた時に、A君も呼んで、一緒にご飯を食べました。色々と野球部の話を聞かせてもらいました。春からは、チームメートです。大学野球が楽しみになってきました。
苦しかった浪人生活。しかし一番行きたかった大学からの合格通知が届いた瞬間に、それが、かけがえのない思い出にかわります。おめでとう。思いっきり野球をして下さい。